「温泉図鑑」
2006年 12月 06日
今どき珍しく“内湯”特集です。
本文しょっぱなにも書いてありましたが、客室露天風呂全盛のこの時期に、内湯特集で一つの本をつくるなんてなかなか難しいそうです。
しかし、
「温泉ファンにとっていちばん重要なのは“文化”なんですよ。泉質、泉質というのもそのひとつ。だって昔は循環なんてしていなかったんだから。共同浴場やタダ湯が好きだというのも別に金がないからじゃない。温泉文化を感じられるから好きなんです」(本文より)
“でも造られた庭園露天風呂や、とってつけたような露天風呂なら、なくて結構。そんな湯船より、温泉文化を感じる内湯のほうがよっぽどいい”(本文より)
という熱い思いを押し通して、この本ができたというのです。
本当に昔からの宿や、現在も残る湯治宿にまじって、金具屋も紹介されているのですが、これは本当に光栄なことです。それだけうちの温泉を認めてもらってるってことですから。
高級宿特集とか、老舗旅館特集、なんてのよりも、こっちのほうがしっくりきます。実際。
この本でも最後のほうは広告のページになっているんですが、そこに登場するきらびやかな旅館ホテルと、本編の取材された宿をくらべてみると、おなじ「温泉」でも、これほど違うのか、と思ってしまいます。
かなりコアファンのための本ですが、出版関係者に「やっぱり売れなかったね」といわれないように、温泉ファンはみんなで買いましょう。本当の温泉好きはもっていてもいいんじゃないでしょうか、と思います。
歴史の宿金具屋ホームページ